エネルギーミックスの重要性を若年層に伝えていく(前列中央が作画のキノシタさん)
エネルギーミックスの重要性を若年層に伝えていく(前列中央が作画のキノシタさん)

 関西電力はエネルギーミックスの重要性などについて、4コマ漫画でコミカルに描いた冊子を制作した。発電所を擬人化し、それぞれの特性を時には自虐的に紹介。女性や若年層へ重点的に訴求するため、女子大生らの意見を参考にしながらストーリーを練り上げた。作画を担当した漫画作家のキノシタヒロシさんは、「それぞれの発電所の特徴を知って、親しみを持ってもらえれば」と話している。

 冊子はA5判・26ページで、タイトルは「でんりょくハウスへようこそ!」。火力、原子力、太陽光の各発電所が「発電系男子」となり、「でんりょくハウス」で共同生活を送る内容になっている。

 制作は、「マンガ学部」がある京都精華大学の協力を得た。同大学講師で、今回シナリオを手掛けた石田葉月さんは「いわゆる『キラキラ系アニメ』だと、一般の人は手に取らない。不快感を与えないように設定を考えた」と、工夫した点を指摘する。

 一方、武庫川女子大学4年生の大前りささんは、「親しみやすく感じてもらえるようなセリフなどについて意見した」と、同年代の女性らに“響く”内容にするために助言。大前さんの友人で、制作に携わった竪山伊都子さんは、「エネルギーミックスといった単語は初めて聞いたが、重要性がよく分かった」という。

 冊子は1万部制作し、3月上旬から発電所の見学会などで配布を始めた。制作した関電広報室は、「正しい情報をどれだけ集めても、読んでもらえなければ意味がないから、伝えることを第一に考えた。エネルギーに興味を持ってもらうきっかけになれば」と話している。

電気新聞2018年3月22日