東北電力グループの東北電力リニューアブルエナジー・サービス(東北電力RENES、仙台市、小川善広社長)は26日、風力発電設備の保守人材を育成する施設を公開した。設備点検・修繕向けの訓練を行う施設を能代火力発電所に、風車での高所作業を安全に行うための訓練施設を秋田火力発電所に設置する。秋田火力の施設は2023年3月からサービスの提供を開始する。

屋内での垂直ハシゴを用いた救助訓練

 公開したのは秋田火力発電所に設置した「風力トレーニングセンター 秋田塾」。自社だけでなく外部企業などにも展開する予定で、初年度は100人の利用を想定する。将来的には350~400人規模まで拡張する予定。訓練は風力発電設備メーカーで構成する組織「GWO」の認証に基づいた内容である基礎安全訓練(BST)を提供する。

 同日は秋田火力発電所構内に設置した設備を公開。けがなどの際の応急処置を学ぶ訓練や、重量物を安全に運搬する「マニュアルハンドリング訓練」などを展開する。屋内に設置した垂直はしごを用いた高所作業訓練では、はしご上で意識を失った人の救命方法などを学ぶ。屋外に設置した高所からの緊急降下訓練では、ナセルでの火災などを想定し、安全な降下方法などを学習する。

 東北電力RENESの小川社長は「洋上風力の適地である秋田からタイムリーに必要なサービスを提供したい」と語る。東北地方を中心に導入が進む風力発電に関して、開発から運用・保守などライフサイクル全般に貢献するとしている。

電気新聞2022年12月27日