同期の絆、深めて

 
 関電工はこのほど、新型コロナウイルスの影響で入社直後の集合研修ができなかった2020年4月入社の社員を対象に、同期と交流を深めることを目的とした3日間の研修を行った。福島県浜通り地域を見学して東日本大震災の被害を学習したほか、アイマスクを着用して実施する「アイマスクサッカー」に挑戦。部門の壁を越えて寝食を共にし、課題に取り組むことで、同期社員との仲間意識を醸成した。(宮川健)

 研修は20年4月入社の社員を4班に分けて10月から順次実施し、対象者の9割を超える273人が参加した。1つの班には事務系、技術系を問わずランダムに社員を振り分け、幅広い部門の同期と触れ合えるようにした。

 研修初日は関電工人材育成センター(茨城県牛久市)での座学、2日目は東日本大震災・原子力災害伝承館(福島県双葉町)や、震災遺構の浪江町立請戸小学校の見学で震災被害について学習。語り部からも津波襲来時の状況を聞いた。最終日はJヴィレッジ(楢葉町、広野町)でアイマスクサッカーに取り組んだ。

 11月16~18日は4班目の78人が参加。16、17日に浜通り地域を訪れ、18日はアイマスクサッカーに挑戦した。

 アイマスクサッカーはJヴィレッジのオリジナル競技。アイマスクで視覚を奪い、転がると音が出る特殊なボールを使用する。ボールの位置はアイマスクを着けていない周りのサポーター役が伝える。

 研修では試合も実施し、3~4人で構成するチーム同士が対戦した。サポーター役はボールの位置をうまく指示できずに四苦八苦しており、掛け声のほか、手をたたいて位置を伝える姿もみられた。

 研修に参加した社員は「普段会えない部門の社員がたくさんおり、仕事内容を聞けて面白かった」(埼玉支店・今井昂輝さん)、「これまで施工側の部門と関わる機会があまりなく、知り合いが増えて楽しかった」(労務人事部・深山涼太さん)、「業務の話で盛り上がった」(茨城支店・木城美香さん)などの感想を寄せ、同期との交流を楽しんだ様子だった。

 研修を担当する人材育成センターの牧野豊所長は「この年代は(入社した年の)6月まで自宅待機しており、どこかで同期とのつながりを持たせる研修をやりたかった」と述べ、「同期からの刺激は会社の成長にもつながる。ぜひ同期との交流を深めてほしい」と強調した。

電気新聞2022年12月7日