暖房とテレビ観戦、深夜の中継で伸び

 
 サッカーW杯カタール大会決勝トーナメントで、日本がクロアチアにPK戦までもつれ込み惜敗した6日未明、テレビ中継された時間帯に需要電力量が前日比最大18.6%増と急伸した。2日早朝のスペイン戦でも同様の傾向を示していて、電力需要の底上げに、サッカー日本代表の奮闘が一定の効果を与えたようだ。

 試合が中継された時間帯の電力需要量をみると、午前0時台が前日比18.2%増、1時台が同18.6%増、2時台が同17.0%増だった。特に試合後半の1時台は突出した伸び率。前後3時間ずつの伸び率は前日比平均16.5%、10.1%だったことから、中継時の高さがうかがえる。

 冬季の需要は、暖房の使用量が多くなる午前8時~11時頃と照明や家庭用需要の多くなる夕方の点灯帯(午後5時~8時頃)に高まる。夏季に比べ需要が長い時間にわたって高止まりする特徴があるものの、深夜帯に急増するのは異例だ。

 同日は関東や西日本を中心に雨となり、東京都心では夜から本降りとなった。気温の影響もあるとはいえ、テレビ観戦やそのための暖房の利用などが需要の押し上げにつながったようだ。2日早朝のスペイン戦でも前日比9%程度増加した。

電気新聞2022年12月7日