関西電力は、日本初の事業用水力発電所として知られる蹴上発電所(京都市左京区)の一般向け見学会を3月から定期的に始める。明治維新後の京都の復興と近代化を支えた蹴上発電所は、歴史的建造物としての価値も高く、見学を求める要望が関電に多数寄せられていた。関電のテレビCMのロケ地となり、さらに認知度も上がってきたため、見学者を受け入れる体制を整えた。
3月2日以降の毎週金曜日、午前と午後に見学会を開く。それぞれ20人まで参加可能。同発電所の概要について説明を受けた後、約30分かけて構内を巡回する。第2期発電所や水圧鉄管などを巡り、現在稼働中の第3期発電所内で発電機などを見学する。
蹴上発電所は「琵琶湖疏水」を利用した水路式発電所で、1891(明治24)年に運転を開始し、1912(大正元)年の第2期、1936(昭和11)年の第3期と出力を増強してきた。1942(昭和17)年には京都市から関電の前身の関西配電に移管。2016年9月には、電気・電子技術の世界的な学会である米国電気電子学会(IEEE)から「IEEEマイルストーン」の認定を受けた。
見学会を企画した関電広報室は、「蹴上発電所は当社の水力発電事業の原点であり、先人の強い使命感を受け継ぐシンボリックな存在。多くの方に見学会に参加して頂き、歴史的な重要性を感じてほしい」と呼び掛けている。
見学希望者は、まず受付窓口へ電話で空き状況を問い合わせて仮予約を行い、見学申込書を電子メールかファクスで送付する。蹴上発電所見学会受付窓口:電話075(205)5352。
電気新聞2018年2月9日
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