2016年6月末までのFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)認定案件のうち、新制度への移行期限までに電力会社と接続契約を結ぶことができず、失効した案件(住宅用太陽光を除く)が1610万キロワット・27万件に上ることが、経済産業省の調べで分かった。大部分を占めるのは非住宅用太陽光で、1463万キロワット・26万件だった。この他の電源で失効したのは、風力が38万キロワット・710件、地熱が4千キロワット・21件、中小水力が14万キロワット・64件、バイオマスが95万キロワット・82件だった。

 非住宅用太陽光の2017年3月末時点での認定量は7900万キロワット・94万件。今回の失効量を単純に差し引くと6400万キロワット程度となり、非住宅用だけで2030年度の電源構成(エネルギーミックス)に掲げる太陽光比率と同規模になる計算だ。

 経産省では2017年4月時点で、失効する可能性のある案件が全体で2766万キロワット・45万6千件に達すると推計。その後、期限内に接続契約に至った案件が出たため、数値を下方修正した。

 ただ、2016年7月1日~2017年3月31日までの新規認定案件は、接続契約に9カ月間の猶予があることから、今回の推計値には含まれていない。

 2017年4月の改正FIT法(改正再生可能エネルギー特別措置法)以前は、認定を取得したものの、土地・設備の確保ができなかったり、電力会社との接続契約が結べないとして長期間運転を開始しない「未稼働問題」が発生。経産省では、太陽光については報告徴収の上で認定を取り消すなどの対応策を講じてきた。

 一方、新制度移行後は、電力との接続契約を認定の条件として設定。より確度の高い案件のみを認定する仕組みを取り入れた。

 さらに、2016年度内に認定した案件は、原則、年度末までに接続契約を結べなければ、失効させることにしていた。

電気新聞2018年1月30日