三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は1月22日、最新の空冷式大型ガスタービンで発電効率が従来比1ポイント増の64%に到達したと発表した。64%の効率を確認したのは、主力のガスタービン「J形」の最新機種である空冷式の「JAC形」。2016年12月に市場投入した。ライバルの米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスも大型ガスタービンの効率向上を進めており、最高効率を巡る競争が熱を帯びている。
60ヘルツ用のJAC形は、蒸気タービンと組み合わせてコンバインドサイクル化すれば57万5千キロワットの発電能力を持つ。旧式の石炭火力をJAC形に置き換えることで二酸化炭素(CO2)排出量を約70%削減できる。
MHPSは04年から発電効率65%を目指して技術開発を進めてきた。JAC形を市場投入した時は発電効率を63%以上としていた。今回1ポイント向上したのは燃焼器の開発などの成果。タービン入り口温度が1650度級で達成した。
同社は高砂工場(兵庫県高砂市)に実証設備複合サイクル発電所(通称T地点)を保有する。T地点ではJAC形が99.5%の信頼性を確保しつつ、1万4千時間以上に及ぶ商業運転を継続している。
これまでに47基のJ形ガスタービンを受注済み。そのうち41基を出荷し、26基が商業運転に入っている。J形全体の累計稼働時間は11年の実証運転開始以降、計50万時間に達しており高い信頼性を確認している。
大型ガスタービンの発電効率を巡っては、GEも17年12月にコンバインドサイクル発電方式で利用すれば64%以上を出せる空冷式ガスタービンを開発したと発表している。18年以降に出荷する予定だ。
電気新聞2018年1月23日
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