自然電力、UPDATER、東京ガス、住友電気工業など9社

 
 自然電力(福岡市、代表取締役=磯野謙氏、川戸健司氏、長谷川雅也氏)、UPDATER(アップデーター、東京都世田谷区、大石英司代表取締役)、東京ガス、住友電気工業など9社は28日、家庭用蓄電池を用いるVPP(仮想発電所)の実証を行うと発表した。VPP規模は2200キロワット程度。電力需給バランスの改善や電力調達コスト削減に効果が期待される。実証期間は12月中旬~来年1月中旬を予定。最短で2023年度中の商用化を目指す。

 実証では、自然電力のアグリゲーション・エネルギーマネジメントシステム「シゼンコネクト」を活用。小売電気事業者の電力需給に合わせて家庭用蓄電池を遠隔制御する。調整力創出の技術性評価や需給状況把握方法の検討、電力調達コスト削減効果の試算などを行う。

 自然電力は実証の取りまとめやVPPアグリゲーター、成果検証などを担う。アップデーター、東京ガス、ボーダレス・ジャパンの小売電気事業者3社は経済性の試算に必要な情報を提供。グリッドシェアジャパン、スマートソーラー、住友電工、ダイヤゼブラ電機、ニチコンの蓄電池メーカーなど5社は、蓄電池制御や需要家対応を担当する。

 これら蓄電池メーカーの蓄電池を保有する需要家の中から、11月末まで実証への参加者を募集する。人数は700人程度。契約中の小売電気事業者は問わない。

 自然電力は今回のVPPが商用化した場合、数十万の蓄電池と接続することで20万~30万キロワットの調整力を確保できると見込んでいる。

 将来的には需給調整市場や容量市場に調整力を適用することも目指す。

電気新聞2022年10月31日