広域機関が系統長期方針で案

 
 電力広域的運営推進機関(広域機関)は1日、2022年度末のマスタープラン(広域系統長期方針)策定に向け、具体的な系統増強策を盛り込んだ「長期展望」の案を公表した。これまでの検討結果を踏まえ、費用便益評価を整理。東地域の海底直流送電の容量は日本海側と太平洋側に分散配置し、北海道~東北間600万キロワット、東北~東京間800万キロワット程度が有力になると見通した。

 同日のマスタープラン検討委員会(委員長=秋元圭吾・地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー・主席研究員)に事務局が提示した。

 基本シナリオにおける海底直流送電の構成は、各エリアの再生可能エネルギーの賦存量や系統増強後の出力制御を考慮し、日本海側と太平洋側に容量を分散して配置。出力制御率が落ち着く北海道~東北間600万キロワット、東北~東京間800万キロワットが有望との見通しを示した。

 中西地域のうち、長期展望における関門連系線増強については中国ルートと四国ルートを比較。その結果、現段階では費用便益評価や系統の安定性で優位な中国ルートを想定する。具体的な増強規模は280万キロワット程度を目安に検討を進める考えを示した。

 周波数制約の解消効果がある交流連系を前提とするものの、技術的な課題も残る。このため、計画策定プロセスで整備計画を具体化する中で、直流連系の適用も選択肢に、増強規模などを見極めていく方針だ。

 東地域と中西地域それぞれの有望案を組み合わせた東京中部間連系設備(FC)の増強策に関しては、シミュレーションを実施した上で次回会合に示す予定。長期展望は年内に取りまとめる。

 マスタープランの策定に向けては、昨年5月に公表した中間整理での分析を反映。エネルギー基本計画との整合も図る。将来的には技術革新など不確定要素もあることから、情勢変化を考慮した複数シナリオを用意し、持続的な増強計画を打ち出す。

電気新聞2022年11月2日