政府が28日にも決定する総合経済対策のうち、電気・ガス料金の激変緩和措置の補助単価などが26日、明らかになった。2023年度前半にかけて低圧契約の家庭向けに1キロワット時当たり7円を補助する方向。現行の家庭向け電気料金の約2割程度を政府が支援する。企業など高圧契約については1キロワット時当たり3.5円分を補助する。都市ガスでは、家庭向けと年間契約量が1千万立方メートル未満の企業に1立方メートル当たり30円を支援する見込み。来年1月以降、早期の導入を目指す。

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 26日に開いた自民党政務調査会の全体会合で政府が示した。政府は24日の同会合で、総合経済対策の原案を提示。エネルギー関連では、(1)電気・ガス料金の激変緩和策(2)LNG余剰在庫の戦略的確保(3)家庭・企業の省エネ対策の抜本強化やゼロエミッション電源の最大限の活用――などを重点項目とした。24日の議論などを踏まえて、原案を修正した。

 26日に示した新たな案では、電気料金について「料金引き上げ額を実質的に肩代わりする」と明記。この単価による支援措置の期間は「来年度前半」までとし、来年9月からは支援規模を縮小する方針を示した。

 都市ガスについては「料金の上昇による負担の増加に対応する額を支援する」と記し、支援の縮小時期は明示していない。LPガス向けの支援については、販売事業者の配送効率化の措置を講じるとした。支援の具体的な枠組みや規模は示されていない。

 昨年度から始めたガソリンなど燃料油価格の激変緩和措置も来年度前半にかけて継続するが、来年6月以降は「段階的に縮小する」とした。

 前回案で示した原子力発電政策に関する記述も更新。十数基の原子力発電所の再稼働、次世代革新炉の開発・建設などに関する専門家の議論を「年末に向け」加速するとの表現に改めた。

 このほか、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けて、地域の脱炭素化や再生可能エネルギー導入に関する技術を広めるための「需要喚起策を講じる」といった記述も加えた。

電気新聞2022年10月27日