経済産業省・資源エネルギー庁は12月18日、2019年以降にFIT(再生可能エネルギー固定買取価格制度)の買い取り期間が終了する住宅用太陽光について、買い手が不在となった場合、余剰電力は一般送配電事業者に無償で引き受けることを要請する方針を固めた。FIT設備と非FIT設備が併存する場合でも新たに差分計量を適用することで、非FIT電源からの逆潮流を解禁することも合わせて決めた。今後、省令改正など必要な手続きを進める。

 18日の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」で、この方針が了承された。余剰電力買い取り制度は09年11月に始まり、住宅用太陽光の買い取り期間は10年。19年中に期間が終了する電源が約120万キロワット・40万件弱発生するとみられることから、いわゆる「2019年問題」として対策が求められていた。

 需要家は19年以降、電気自動車(EV)や蓄電池などと組み合わせた自家消費を進めるか、小売電気事業者・アグリゲーターに対して、相対・自由契約で余剰分を売電するかを選択しなければならない。それでも一時的に余剰電力の買い手が不在になった場合、系統への逆潮流が不可能な形で解列すると、使用する電力の供給まで遮断される恐れがある。

 このため、エネ庁は「一時的・例外的な措置」として、余剰分を一般送配電事業者に無償で引き受けてもらうよう要請し、調整力としての活用を促す。引受量が膨大になり、一般送配電事業者の業務に支障が生じる場合には仕組みを再検討する。

 また、差分計量を適用することを前提に、非FIT電源からの逆潮流も解禁する。これまで同一需要家内にFIT設備と非FIT設備が併存する場合、FITによる買い取り量を正確に計量するため、非FIT電源からの逆潮流は禁止されていた。非FIT電源は蓄電池や家庭用燃料電池「エネファーム」、FIT期間終了後の太陽光設備などが該当する。



電気新聞2017年12月19日