RES Americas社の米国オハイオ州コロンバス・蓄電池システム
米国オハイオ州コロンバスにある蓄電池システム

 東京電力ホールディングス(HD)は、米国の電力系統向け蓄電池ソリューション事業に参画する。英再生可能エネルギー・蓄電池大手RESの米子会社が運営する周波数調整事業に出資し、同日付で持ち分の50%を取得した。PJMが運用する調整力市場を通じて、蓄電池の充放電で生み出した調整力を提供し、系統運用事業者から対価を得る仕組みだ。

 日本の大手電力が海外電力市場で、蓄電池を活用したアンシラリーサービスに参画するのは初めて。

 東電HDが出資したのは、RESの米国子会社がPJMエリアの系統運用事業者への調整力提供を目的に設立した事業会社。米オハイオ州コロンバスに拠点を置き、最大出力4千キロワットのリチウムイオン蓄電池を保有し、既にサービスを行っている。

 具体的にはPJMが運用する調整力市場で、系統運用事業者でもあるPJMから周波数調整シグナルを受ける。その上で、蓄電池の充放電による周波数調整サービスを提供し、市場を通じて対価を得る事業モデルだ。

 日本国内では2016年から一般送配電事業者が調整力公募を開始。2020年をめどに調整力の調達・取引を行う需給調整市場の創設が検討されている。東電HDはRESなどに社員を派遣し、調整力市場を活用したソリューション事業のノウハウ獲得につなげる。

東電HDの蓄電池による調整力事業の仕組み(図:東京電力HDホームページ)
米・蓄電池ソリューション事業の概要(図:東京電力HDホームページ)

電気新聞2017年12月11日