中部電力グループで配電線路の用地・伐採交渉などを手掛ける中電配電サポート(名古屋市、和田秀俊社長)は、米グーグルの地図ソフト「グーグルマップ」上に電柱の位置情報を表示できるシステムを開発した。電柱番号で検索した電柱の位置をピンポイントで地図上に表示し、電柱の特定にかかる時間を従来よりも大幅に短縮。さらに交渉関連情報を電柱ごとに入力し共有できるため、交渉ノウハウの蓄積にもつながる。
新システムは、11月1日に全社で運用を開始。中部電力エリア内の電柱約350万本(NTT柱を含む)が対象となる。
地図上では電柱の位置情報に加え、土地の広さや境界を示す「公図」も重ね合わせて表示できる。ストリートビュー機能では、電柱周辺の状況を立体的に確認することが可能。画面上で周辺設備を把握でき、交渉業務の効率化につながる。
同社は新システムの開発と併せて、タブレット端末の導入も計画。まずは全体の約3割に当たる100人の交渉員にタブレットを配布する。タブレット導入により、出先の空いた時間に交渉関連情報の入力や設計図作成などの業務が進められる。仕事の能率を上げ、1日当たりの交渉件数を伸ばしていく考えだ。
交渉員は従来、電柱配置図と公図の印刷物をそれぞれ持参。これら紙ベースの膨大な資料と地図を用いて、対象となる電柱の特定にかなりの時間と労力を要した。
同社は今年度内に、出発地から目的の電柱までルート案内するナビ機能や画面に表示される電柱番号の色分け機能などを追加する予定だ。
新システムの開発を担当した同社総務部情報システムグループ長の情家行雄氏は、「今後も最新技術を業務に取り入れていくことで交渉員の負担を軽くし、一層の業務効率化につなげていきたい」と話している。
電気新聞2017年11月30日付
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