太陽光発電予測により余剰電力が発生する場合、インターネット経由でモデルハウスのエコキュートに沸き上げ運転指令を出す
太陽光発電予測により余剰電力が発生する場合、インターネット経由でモデルハウスのエコキュートに沸き上げ運転指令を出す

 関西電力と武庫川女子大学大学院は、大阪市内に設けたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のモデル住宅で、太陽光発電予測とバーチャルパワープラント(VPP)の技術を活用した実証を開始した。翌日の気象予測に基づき太陽光発電量を予測。余剰電力が発生する場合はVPP技術を活用し、通常夜間に行うエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ式給湯機)の沸き上げ運転の一部を昼間にシフトする。関電は今回の知見も生かし、VPP技術を活用した新サービスを検討していく。

 太陽光発電量予測とVPP技術を組み合わせ、住宅などの効率的なエネルギーマネジメントシステムの構築を目指す実証は国内で初めて。関電は日本気象協会の予測データを受け、VPP指令サーバーからインターネット経由で指令を発動。宅内のHEMS(家庭用エネルギー管理システム)ゲートウエーを通じて、エコキュートを遠隔から制御する。通常夜間に行う沸き上げ運転の一部を昼間にシフトさせ、余剰電力の有効活用を図る。

 大阪駅北側の再開発地区「うめきたⅡ期エリア」に、同大学院建築学専攻の演習課題で構築した「キセカエハウス」で、17日から28日まで実証する。データを取得し、エネルギーマネジメントの効果を評価する。大学や民間などが連携し、年間で1次エネルギー消費量が正味ゼロを実現するZEHの実証や展示・普及啓発を図る「エネマネハウス2017」と呼ぶプロジェクトの一環として実施する。



電気新聞2017年11月20日付