四国電力とグリッド(東京都港区、曽我部完代表取締役)は23日、AI(人工知能)を活用した電力需給計画の立案システムを開発し、7月から運用を始めると発表した。従来人力で行っていた作業をAIとデジタルツインが代替。最も経済的な需給計画を自動的に導き出す。需給最適化に特化したグリッドのシステムの運用を大手電力が開始するのは今回が初めて。

 需給計画の立案に当たっては、需要や卸電力市場の価格、再生可能エネルギーの発電量など各種データの変動が及ぼす影響を適切に見極めることが求められる。これまでは人力で計画を策定していたため、属人的にならざるを得ず、時間もかかっていた。卸市場の高騰や電力システム改革に伴う新たな市場の設立などで、需給予測はより難しくなっているという。

 こうした課題解決に向け、両社は2020年12月からシステム開発に着手。エネルギー分野に特化したプラットフォームの「ReNom Power(リノーム・パワー)」を活用する。

 まずはエリアの需要や卸市場価格、気象情報に加え、発電機の設備諸元を入力。複数のシナリオを作成して、シナリオごとに最適な発電計画を導き出す。期待収益算定機能も搭載されており、運用者が最も経済性のある計画を採用する仕組みだ。

 四国電力の試算によると、今回のシステム導入によって数億円程度の利益改善効果が見込めるという。実際の運用状況を見極めながら、今後もシステムの改良に努めていく考え。

電気新聞2022年6月24日