自動運転の公道テストを開始した日産の実験車両
自動運転の公道テストを開始した日産の実験車両

 日産自動車は自動運転実験車両の公道テストを先月から開始した。テストに使用するのは日産の「インフィニティQ50」をベースとした実験車両で、新型電気自動車(EV)「リーフ」や一部のガソリン車に搭載されている自動運転技術「プロパイロット」を発展させた。ナビゲーションシステムで設定した目的地まで、一般道と高速道路を含むルートを自動で走行する。日産は自動運転技術を2020年以降に実用化したい考えだ。

 実験車両には12個のソナーと12個のカメラ、9個のミリ波レーダー、6個のレーザースキャナーを搭載。これらと高精度な3次元マップを組み合わせ、車両の周囲360度の情報と自車の正確な位置を把握する。交通量の多い交差点などでも滑らかな走行が可能になるという。

 また、複雑な交通事情を解析するための人工知能(AI)技術も搭載。例えば高速道路で料金所に近づいた際、車両のシステムが走行可能なETC(自動料金収受システム)ゲートを自動で検出して通過できる。人間が運転しているかのようなスムーズな移動で、乗員に安心感を与えるよう配慮した。

 日産が9月に発表したEV「リーフ」は、高速道路の単一車線を走行する際にアクセルやブレーキ、ハンドル操作を自動的に制御する「プロパイロット」を搭載する。今回の技術はこれをさらに発展させた形となる。同社は、今月行われた東京モーターショーで、完全自動運転を実現するEVコンセプトカー「ニッサン IMx」を世界初公開している。