経済産業省・資源エネルギー庁は、東京エリアを中心に深刻な電力危機の恐れがある2022年度冬の需要対策として、電気事業法に基づく使用制限令を検討する。10年に1度の厳気象H1に対する東京エリアの予備率が、来年1月にマイナス1.7%、2月にマイナス1.5%と極めて厳しい。短期間での供給力の大幅な積み増しは難しく、需要側のあらゆる対策を模索する。加えて今夏需給については、予備率3%ギリギリのエリアが存在するため、計画停電実施の準備を進める。

 12日に開いた総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の電力・ガス基本政策小委員会(委員長=山内弘隆・武蔵野大学特任教授)で需要対策検討の方向性を示した。


 来年1~2月が厳寒となった場合、北海道、東北、沖縄を除く7エリアで予備率3%を割り込む。12年度以降、最も厳しい見通しとなる。特に東京エリアは予備率マイナスの予測で、事態は深刻だ。

 技術実証段階のIGCC(石炭ガス化複合発電)や、JERA姉崎新1~3号機など試運転が見込まれる火力発電所は供給力に織り込んでいない。安定稼働できれば、需給状況改善に大きく寄与するが、トラブルの可能性が残っている。加えてロシアのウクライナ侵攻で化石燃料の調達環境は予断を許さない。

 そうした中、エネ庁はあらゆる需要対策の検討に入った。3月22日の需給逼迫の教訓を踏まえ、まずは今夏に備えるため、原則実施しないと整理してきた計画停電の準備を進める意向。加えて、今冬は予備率がマイナスとなるなど、全国的な供給力不足が既に明らかになっている。この深刻な事態に備えるため、使用制限令を含め準備を進める。

電気新聞2022年4月13日