飛島建設とNTT東日本、NTTの3社は3日、建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する新会社「ネクストフィールド」を4月1日に設立すると発表した。現場に合わせたDXを顧客に提案するほか、DXに用いる資機材の調達や提供などに取り組む。建設業界で大きな割合を占める中堅・中小規模の建設会社を中心にDX化を後押しし、生産性の向上や働き方改革の推進につなげる。2027年度に売上高50億円を目指す。

 新会社の資本金は4億9千万円。飛島建設とNTTグループがそれぞれ50%出資する。本社は東京都渋谷区に置く。社長は飛島建設出身の大堀裕康氏が務める。

 24年4月の労働基準法改正で残業の上限規制が建設業にも適用される。慢性的な人材不足もあり、建設現場の生産性向上は急務の課題だ。DXで解決しようにも、建設業は現場によって作業環境などが大きく異なる。DX化を一律に進めることが難しい状況だ。

 こうした課題を踏まえ、新会社は建設現場の状況に応じて最適なDXを提案する。Wi―FiなどDXに必要なITツールも一元的に手配し、提供。導入後の運用サポートや保守までも担う。

 将来は業務を自動化するロボットの導入や画像AI(人工知能)技術の活用にも取り組む。KY(危険予知)活動のDXサービスも開発する方針だ。

 飛島建設とNTT東日本は20年6月に連携協定を結び、建設現場でDXを進めていた。新会社は両社が持つ知見に加え、通信分野で最先端の研究開発を行っているNTTの技術力も生かして事業に取り組む。

電気新聞2022年3月4日