運転員など除く約4000人が対象

 
 JERAは、新型コロナウイルス感染の収束後を見据えた新テレワーク制度を構築した。出社とテレワークを組み合わせたハイブリッド型とし、それぞれの良さを生かした柔軟な働き方を実現する。当面はテレワーク頻度を月間勤務日の半分以下とし、上限免除特別措置や海外からのテレワークが可能な仕組みを導入。将来は、全面的なフルテレワーク導入も視野に入れる。
 

当面は月半分以下

 
 新制度は、2021年12月から運用を開始。足元でオミクロン株が猛威を振るう中、現在は新型コロナ対策を優先しており、収束後に本格的に適用される。対象になるのはJERA社員約4500人のうち、発電所の運転員などを除く4千人程度。コロナ禍前の平時とは利用頻度、勤務時間、勤務場所を変更した。
コロナ禍前のテレワークの頻度は、週2回・月8回だったが、新制度では月間勤務日の半分以下とした。上限免除特別措置は休職・単身赴任と通常勤務の間をつなぐ措置で、フルテレワークが行える業務を前提にテレワークの上限を設けない。

 具体的な対象として、例えば小学6年生までの子どもがいる社員が当てはまる。また、異動先がフルテレワークで支障がなければ特措の対象になり、単身赴任を回避できる。現在単身赴任をしている場合も適用できる。

 勤務時間では、コロナ禍前のテレワークは時間外勤務ができなかったが、36協定内で可能になった。午前7時から午後10時の間で、最低労働時間を4時間とし、コアタイムは設定しない。また、コロナ禍前は在宅や西日本支社としていた勤務場所に関し、情報管理で問題がなく、上司が認めた場所であればどこでも可能になった。

 JERA労務人事部の海野泰・人事企画ユニット長は、新制度について「性善説に立ち、ルールはゆるめにしている」と説明する。

 一方、海外からのテレワークは、配偶者の海外赴任に同行するケースを想定。テレワークでも問題がなく、日本時間に合わせた勤務ができることなどが条件。ビザや税務面でリスクが顕在化した場合、休職に移行する。
 

多様な働き方実現

 
 テレワークについて、社内ではフルテレワークを求める声がある一方、新卒者や異動者らからは「人間関係が築けていない中で、テレワークではいろいろと聞きづらく、一定程度出社したい」という意見も出た。社員調査では、ハイブリッド型の勤務形態を希望する回答が8割以上に上ったため、制度設計に反映した。

 JERAダイバーシティー&インクルージョン推進室の丸山昌子室長は、新制度導入の目的について「多様な働き方を認めて成果を出し、顧客に価値を提供していく。社員やその家族の幸せと企業価値を高めていきたい」と強調する。

電気新聞2022年1月25日