経済産業省・資源エネルギー庁は25日の有識者会合で、2022年度冬季に厳しい需給が予想される東京、中部の2エリアで追加の供給力公募を実施する方針を示した。東京では今冬に続き2度目、中部では初めて。これまで発電所の補修点検時期の調整や休廃止予定電源と小売電気事業者のマッチングなどを進めてきたが、予備率3%の確保に至らなかった。募集容量などは、3月末に取りまとめる22年度供給計画を踏まえて検討する。

 電力広域的運営推進機関(広域機関)が19日示した見通しでは、22年度の夏季は予備率3%をかろうじて確保できるが、冬季の1~2月は東京、中部エリアで3%を下回る。

 これを受け、25日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)電力・ガス基本政策小委員会(委員長=山内弘隆・武蔵野大学経営学部特任教授)では、来冬について追加の供給力公募を基本に対策を検討することを確認した。

 これに先立ち、22年度に休廃止を予定する電源と小売事業者のマッチング結果も報告されたが、契約成立で休廃止を回避した電源はなかった。

 東北エリアで東北電力東新潟火力発電所港1、2号機(重油・LNG、計70万キロワット)、東京エリアでJERA姉崎火力5、6号機(LNG、計120万キロワット)と袖ケ浦火力1号機(同、60万キロワット)を掲示。中部エリアは、JERAの知多火力5、6号機(同、計155万4千キロワット)、知多第二火力1号機(同、85万4千キロワット)、四日市火力4号系列(同、58万5千キロワット)が対象となった。各エリアそれぞれ10件以上の問い合わせがあったという。

 各社は電源の受給パターンや基本・従量料金、供給力の提供可能期間といった情報も提示したが、契約に至らなかった。これらの電源は、来冬の追加供給力公募を行う際の応札候補となる。

電気新聞2022年1月26日