電工職種で金賞に輝いた関電工の一本嶋優選手

 第59回技能五輪全国大会(主催=厚生労働省、中央職業能力開発協会、東京都)は17~20日、東京・有明の東京ビッグサイトを主会場に開かれた。電工職種は関電工の一本嶋優選手、配管職種は同社の石井悠貴選手が金賞を獲得した。関電工の2冠達成は2年連続。

 電工職種の一本嶋選手は、昨年の第58回大会で7位(敢闘賞)に甘んじたものの、「前回のくやしさをバネに金賞を狙いたい」と雪辱を誓っていた。銀賞は同社の新𣘺翼選手、きんでんの中村祥大選手が獲得。銅賞にはユアテック、関電工、九電工から1人ずつ入った。

 配管職種の石井選手は昨年も銅賞の好成績を収めたが、技能に磨きをかけ見事頂点を極めた。関電工からは銀賞に益子亮太選手、銅賞にも1人が入賞し、出場3選手がそろってメダルを獲得した。

 情報ネットワーク施工では、金賞をエクシオグループに譲ったものの、銀賞にきんでんの大益英士選手が輝いた。同社と北陸電気工事の2選手は銅賞を手にした。
 

東京ビッグサイトなどで熱戦

 
 第59回技能五輪全国大会は18、19日を中心に競技が行われ、2職種で金賞に輝くなど関電工の躍進が目立った。同社が電工職種を連覇するのは2011年以来、10年ぶり。入場制限が一部緩和され、競技会場には徐々にではあるが、活気が戻りつつあった。

 電工と配管の2職種は18日に東京・有明の東京ビッグサイトで熱戦が繰り広げられた。電工職種には8社の電力系電気工事会社から36人が出場した。

 課題は金属や合成樹脂の管工事とダクト工事、電球・スイッチの設置などを組み合わせたもの。昼の休憩時間には小型プログラマブルコントローラー(PLC)による電灯制御の課題が追加で公表され、柔軟な対応力が求められた。選手は標準時間5時間以内の完成を目指した。

 関係者からは、「作業量自体は大したことないが、プログラミングの難易度は上がっている。昨年の前回大会から、より応用力が試されるようになった」といった声が聞かれた。

 昨年はコロナ禍で選手1人につき、関係者1人までと帯同が制限されていたが、今回は3人までに緩和。このため、会場には経営幹部や選手の家族の姿もみられた。

 大阪府高槻市から夫婦で息子の応援に駆け付けた女性は「手際良く作業をこなしていて安心した。他の選手より早く完成させていたので、それだけでも親としては誇り」と笑顔をのぞかせた。

 配管職種には関電工から3選手が出場。水回り設備について、給水管、給湯管、排水・通気管の3種類を課題図通りに仕上げた。情報ネットワーク施工職種は18、19日の2日間にわたって実施。関電工4人、北陸電気工事2人、きんでん5人が出場した。

 電力系電気工事会社からの銀賞以下の入賞者は次の通り。(敬称略)

 【配管】▽銀賞=益子亮太(関電工)▽銅賞=小瀧悠大(関電工)

 【電工】▽銀賞=中村祥大(きんでん)、新𣘺翼(関電工)▽銅賞=谷一希(九電工)、吉田梓恩(関電工)、粕谷俊輔(ユアテック)▽敢闘賞=田村友太(ユアテック)、上休場唯澄(トーエネック)、杉原昂(きんでん)、武藤充生(ユアテック)、南和生(九電工)、松尾耕大(九電工)、今野汐音(ユアテック)、山内泰輝(四電工)

 【情報ネットワーク施工】▽銀賞=大益英士(きんでん)▽銅賞=宮野龍斗(北陸電気工事)、勝村駿(きんでん)▽敢闘賞=谷川和樹(きんでん)、田口優(関電工)

電気新聞2021年12月21日