衛星画像から太陽光発電の適地をAIが抽出する

 afterFIT(東京都港区、谷本貫造代表取締役)は自社で開発した再生可能エネルギー適地検索システムを活用し、太陽光発電所の用地確保を進めている。衛星画像に日射量や系統空き容量、土地情報などのデータを重ね合わせ、人工知能(AI)で適地を選定。テクノロジーを活用することで採算性の高い土地を効率良く探していく。

 afterFITは2016年10月の創業以来、太陽光発電所のEPC施工に携わってきた。施工実績は約21万5千キロワット(9月末時点)。今後は大規模太陽光発電所(メガソーラー)の適地が減少していくことから、比較的小規模な太陽光発電所の開発などにも注力する方針だ。

 しかし、小規模太陽光発電所を増やすには手間がかかる。それぞれの土地の広さや日射量、系統空き容量を一つ一つ調べると膨大な作業量に。そこで21年春頃から衛星画像とAI解析を活用した再生可能エネ適地検索システムの運用を始めた。

◇全国を152万分割
 同システムは全国を500平方メートル四方に区分し、152万カ所のエリアに整理。系統の空き容量が確保されたエリア内で、日射量が多く、開けた土地のみを自動的に抽出できる。これまでは地権者から遊休地を広く募集していたが、一目で有望な土地が分かるようになったため、afterFIT側から地権者に土地活用の提案もできるようになった。

また、同社はこのシステムを運用する中で、ホームセンターの駐車場が持つポテンシャルにも注目した。ホームセンターの駐車場は広いスペースがあり、高圧受電設備も近くに設置済み。電柱などを新設する必要がなく、コストも抑制できる。ただ、駐車場には太陽光パネルを直接設置できないため、太陽光パネルを搭載した簡易的な車庫である「ソーラーカーポート」を自社で開発して導入を進めている。

12月中にはケーヨーデイツー八街店の駐車場にソーラーカーポートを設置して、コーポレートPPA(電力購入契約)で太陽光由来の電力を店舗に供給する予定。オンサイト型PPAでは建物の屋根などに太陽光パネルを設置するケースが多いが、ソーラーカーポートは屋根上の状況や耐久性にかかわらず設置できる。さらに、駐車場に屋根がないホームセンターでは雨天時に集客が落ちる傾向にあるが、ソーラーカーポートさえあれば雨の日でも売り上げをキープできるという。

◇自社開発の意義
 afterFITは再生可能エネ適地検索システムやソーラーカーポートなどを自社で開発することにこだわりを持つ。村井良二執行役員・電力事業グループ担当は「日本は山地が多くて太陽光の適地が少ない。イノベーションを起こすことこそが日本の脱炭素化につながる」と強調する。

 FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)が終了していく中で、既存の技術だけでは再生可能エネを伸ばすことは難しい。同社はイノベーションに事業拡大の活路を見いだしていく考えだ。

電気新聞2021年12月3日