イクボス企業同盟への表明・確約書を持つJERAの佐野会長(左から2人目)と小野田社長(右から2人目)

 JERAは、ダイバーシティー&インクルージョン(D&I)推進の一環として、男性社員の育児休職の取得促進に取り組んでいる。佐野敏弘会長と小野田聡社長が「イク(育児)ボス(上司)宣言」を行い、社員やスタッフのワークライフバランスを応援する姿勢を表明。また、男性の育児休職をテーマにした映画を鑑賞して感想を話し合うイベントなどを開催するなど、男性の育児休職取得に向けた機運を盛り上げている。

 イクボスは、部下やスタッフの育児、介護、ワークライフバランスなどに配慮・理解のある上司で、厚生労働省がイクボス宣言の普及を促している。JERAは宣言を行うとともに、イクボスを育てる企業ネットワーク「イクボス企業同盟」に加盟した。

 JERAのイクボス宣言では、多様な価値観を持つ人材が最大限の能力を発揮するために「多様な働き方を認め合う風通しの良い企業風土づくりが必要」と指摘。男性社員が堂々と育児休職を取得できるなど、「全社員が自分らしく活躍できる風土」を目指す。

 宣言を受け、JERAは7月に「男性育児休職取得推進キャンペーン」を実施。育児休職を取得する男性へのハラスメント防止や、取得しやすい風土醸成などを目的に、eラーニングとして男性の育児休職をテーマにした映画「わたしのヒーロー」を鑑賞した。

 社員約4500人のうち、約3800人が鑑賞し、その後の「感想シェア会」には、育児休職を検討している社員や育児中の部下を持つ社員など約50人が参加。参加者からは、「男性が当たり前に育児休職を取得するためには何が必要か」「自分が取れる行動」などについて意見が出た。

 JERAは11月に予定しているD&I月間で、テーマの一つに男性社員の育児休職を取り上げ、さらに深く考える機会となるイベントなどを検討している。

 D&I推進室の丸山昌子室長は、男性社員の育児休職取得の促進について「堂々と取得できれば、ワークライフバランスの実現や多様な働き方を受け入れる風通しの良い組織風土につながるので、継続して取り組んでいきたい」と意欲を見せている。

電気新聞2021年8月17日