経済産業省は、第3種電気主任技術者試験(電験3種)の受験機会を、これまでの年1回から年2回に増やす。2022年度から制度変更することを決めた。また、従来のマークシート式に加え、パソコン画面上で回答できるCBT方式も採用。一定期間内の複数の試験日・時間帯から受験日時を選択できる仕組みとし、受験機会を平日にも拡大する方向。受験機会を適正化し、有資格者の確保につなげる。詳細設計は、事務局の電気技術者試験センターが21年度中に進める。

 電気保安人材は減少傾向にあり、高齢化の進展によって将来的な人材不足が懸念されている。電験3種の有資格者確保に向け、産業構造審議会(経産相の諮問機関)の電気保安制度ワーキンググループ(WG、座長=若尾真治・早稲田大学教授)では、これまで科目別合格制度の有効期間延長が議論されていた。

 科目別合格制度は、1次試験(計4科目)の一部科目に合格すれば、3年以内に試験を受けた際に合格した科目が免除される仕組み。受験者増加や合格率向上のため、1995年度から導入された。2020年度の議論では、有効期間3年を5~6年に延長できないか検討していたが、「合格者を増やしても質の低い電気主任技術者ばかり増えるのは本末転倒」などの意見が根強く断念した。

 今回の制度変更は、これまで年1回に限定されていた受験機会を適正化することで、有資格者確保につなげる取り組み。科目別合格制度の有効期間は3年としたまま、受験機会を上期・下期の半年ごととする。受験者は22年度から年2回の試験にチャレンジできる。また、CBTは23年度の開始に向け詳細を詰める。マークシート式とCBTから選択できるようにする方向だ。

電気新聞2021年4月5日