四国電力送配電は3月24日、配電設備上のカラスの営巣を自動的に発見できるシステムをエヌ・ティ・ティ・コムウェア(東京都港区、栗島聡社長)と共同で開発し、導入を開始したと発表した。人工知能(AI)による画像認識を活用して営巣を検知する。営巣巡視時に巡視員が立ち止まって確認する必要がなく、巡視時間を短縮できる。

 四電送配電は、エリア内で年間平均約2万個のカラスの巣を撤去している。従来、カラスの巣を見つけた巡視班は帰社後に撤去指示者に巡視記録を提出する必要があるなど、撤去までに手間と時間がかかっていた。

 今回開発したシステムは、自動車やバイクに搭載したカメラを使い、電柱や配電線など配電設備を連続的に撮影。取得した画像をAIが瞬時に分析して営巣を見つける。営巣を発見した場合、システムがリアルタイムで撤去指示者にメール通知する。

 今年2月、四電送配電高松支社に自動車搭載型、四電工高松営業所にバイク搭載型をそれぞれ2台ずつ導入。また、3月末までに松山支社と新居浜支社に車載型を2台ずつ配備する。その結果を評価し、来シーズン以降、他事業所に導入を拡大していく。

 新システムはNTTコムウェアと2018年から開発を開始した。営巣発見が効率化できることから、四電送配電は営巣に起因する年間20~30件程度の停電が減らせると期待する。

電気新聞2021年3月25日