経済産業省・資源エネルギー庁は、4月からFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)認定で、10キロワット未満の地上設置型太陽光発電を分割審査の対象にする。10~50キロワットに地域活用要件や、10キロワット以上に廃棄費用積立制度を設けた結果、2020年度の申請件数が前年度比4倍以上に急増。事業者が要件から逃れようと意図して発電設備を分割して申請している疑いがあることから対応策を取る。
10~50キロワットの低圧太陽光は、20年4月からFIT認定に地域活用要件を設けた。発電設備設置場所で発電量の3割以上を自家消費し、災害時に自立運転する機能と給電用コンセントも必要になる。10キロワット以上には廃棄費用の積み立ても求めた。
地上設置型太陽光の10キロワット未満のFIT申請数は、20年度に4048件と19年度の937件から4.3倍に急増した。エネ庁は申請内容や電力会社からの相談などにより、要件逃れの事業者が出現したと判断した。発電所の分割は、本来不要な電柱やメーターの設置により社会コストの増加を招く。安全規制逃れや廃棄費用積み立て逃れによって、地域の懸念が高まる恐れもある。
隣接している発電所で事業者や地権者が同一の場合は分割案件とする。複数事業者が共犯となって分割した案件も対象だ。ただ、法人格が異なると分割案件と断定できないケースもあり、課題となっている。
電気新聞2021年3月24日
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