経済産業省・資源エネルギー庁は、デマンドレスポンス(DR)に活用できる定置用蓄電池などの分散型エネルギーリソースの導入支援を強化する。関連事業について、2027年度予算に26年度当初予算の27倍となる101億円を充てたい考えだ。導入が始まった第2世代スマートメーターの通信機能を活用して、電力需給状況に応じ分散型エネルギーリソースを制御する実証も支援する。リソースを調整力としてうまく活用し、再生可能エネルギー電源の拡大と電力系統の安定化を両立させる。
27年度概算要求で101億円を計上した。26年度当初予算額は3億7千万円だった。
エネ庁は3本の事業の柱を立てて、分散型エネルギーリソースの導入を後押しする。一つはDRに対応したシステム・機器の導入支援で、家庭・業務・産業用蓄電池の設備費用や既設機器のIoT化などに予算を充てたい考えだ。二つ目は第2世代スマートメーターを活用したエネルギーマネジメントの支援。スマートメーター由来の電力データの利活用に関わる費用も補助したいとする。
三つ目は分散型エネルギーリソースの導入拡大に向けた調査分析事業。委託事業として民間企業などに担ってもらう。定置用蓄電システムの導入を巡る国内外の動向と実態の把握や、調整力(フレキシビリティー)を確保するための施策などが調査項目となる。
◇洋上風力の調査も力
エネ庁は再エネ電源である洋上風力の導入促進に向けて、採算性分析に必要な基礎調査にも力を入れる考えだ。26年度当初予算比25%増となる153億円を、27年度予算の概算要求で計上した。
洋上風力事業の実施可能性が見込まれる海域でエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が風況や海底地盤を調査し、発電事業計画を策定する民間企業にデータを提供する。円滑な洋上風力の導入を後押しする狙いだ。複数の事業者が同じ調査を別々に実施するのは非効率という課題があった。
国や公的機関が主体となって風況や海底地盤の調査や環境影響評価を実施し、結果を民間に提供する仕組みは「セントラル方式」と呼ぶ。JOGMECはこれまでも、北海道や山形県など各地で調査を実施してきた。
風況は、観測機器で風速や風向などのデータを取得する。海底地盤調査では自己昇降式作業台船(SEP船)によるボーリング調査や、計測機器を用いた物理探査でデータを得る。排他的経済水域(EEZ)で浮体式洋上風力の導入を進めるため、基本設計に必要な調査データの取得に向けた調査手法を検討する。調査成果は、洋上風力公募に参加する事業者が活用し、28年度までに延べ24者以上に提供する目標を掲げる。
政府は40年度に再エネ電源の比率を4~5割程度に高める目標と見込んだ。分散型エネルギーリソースや、洋上風力を普及させて目標達成の一助としたい考えだ。
電気新聞2026年9月10日






