8月に約定結果が公表された容量市場の2026年度追加オークション(実需給27年度)を巡り、経済産業省・資源エネルギー庁の有識者会合で供給力不足や国民負担が増えることへの懸念が上がった。今回のオークションでは、容量市場の開設後初めて、応札した全ての電源が落札され、追加できる電源がない状況が発生。それでも27年度の供給力の目標調達量には届かなかった。新電力のオブザーバーなどは27年度の容量拠出金が前年度の約1.5倍に増えたことに懸念を示した。


 27年度向けの目標調達量1億9398万キロワットに対し、今回の追加オークションを経て確保した供給力は1億9280万キロワットで、まだ約118万キロワットが全国的に不足する結果となった。過去のオークションでは目標調達量を上回る応札や、落札されない高経年火力などが存在したが、今回初めて落札率が100%に達した。

 電力広域的運営推進機関(広域機関)は8月31日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)電力安定供給ワーキンググループ(WG)で、こうした約定結果を報告。事務局のエネ庁は落札率が100%となった要因に、まずは前提とする電力需要の増加や必要供給力の算定諸元の厳格化を挙げた。

 一方、供給力の面でも採算悪化や老朽化で休廃止に至る電源が増えたと指摘。容量市場のメインオークションで落札され、4年後の実需給時に供給力を提供して対価をもらう契約(容量確保契約)を結んだ電源でも、実需給25年度以降、毎年度に300万キロワット規模が退出している現状を指摘した。

 DR(デマンドレスポンス)などの「発動指令電源」も含めると、毎年度500万キロワット以上が退出している。維持・管理費用増による約定価格の上昇も今後の検討課題とした。

 WG委員の秋元圭吾・地球環境産業技術研究機構システム研究グループグループリーダーは8月31日の会合で「足元の状況が非常に厳しいことを認識しなければいけない」と強調。費用負担とのバランスを考慮しつつ、電源投資を促す制度設計が必要とした。

 また、広域機関はメインオークションと追加オークションを経て、小売電気事業者が負担する27年度の容量拠出金が26年度比1.5倍の約1兆2千億円になると試算した。

 WGオブザーバーの斎藤祐樹・エネット取締役・経営企画部長は会合で「供給力の確保にかかる社会的コストが著しく増大している現状について、国民の理解を深めることも必要ではないか」と提起した。

電気新聞2026年9月3日