東京電力ホールディングス(HD)は21日、柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135万6千キロワット)の原子炉を起動した。制御棒を午後7時2分から引き抜き、核分裂が開始。午後8時28分に臨界に達した。順調に進めば27日に系統に並列し、点検のための原子炉停止を挟んで2月26日に営業運転入りする。起動は約14年ぶり。福島事故から15年の節目を前に信頼回復、安全確保に努めてきた東電HDの原子力事業が再始動する。
21日は中央制御室で1班13人の運転チームが起動に対応。制御盤を操作すると制御棒挿入状態を示すランプが消え、原子炉が起動した。東電HDは「設備の健全性確認を慎重に進め、気づきがあれば適切に対処する」とのコメントを発表した。
柏崎刈羽原子力発電所では2021年に不正ID事案が発覚。東電HDは体制や制度を見直し、新潟県民に安全確保の情報を伝え信頼回復に努めた。
昨年の県民意識調査でも信頼性は低いままだったが、安全対策の認知度が高いほど「再稼働の条件は整っている」との回答で肯定する意見が目立った。これを受け昨年12月、新潟県の花角英世知事が再稼働を容認した。
営業運転に入れば脱炭素電源の供給力として、二酸化炭素(CO2)排出削減や需給逼迫の改善に期待がかかる。1基の稼働で年1千億円の利益改善効果も見込んでいる。