電力広域的運営推進機関(広域機関)は14日、容量市場の初の落札結果を公表した。全国合計の約定総容量は目標調達量よりやや少ない1億6769万キロワットとなり、約定価格は全エリアで上限価格より1円安い1キロワット当たり1万4137円、約定総額は1兆5987億円となった。石油火力とLNG(液化天然ガス)火力を中心に、929万キロワットが1万4千円以上で応札。指標価格(ネットコーン)より大幅に高い約定価格となった。
今回結果を公表したメインオークションは2024年度に全国で必要な供給力を確保するもので、7月1~7日に入札を行った。
約定総容量は指標価格における目標調達量の1億7747万キロワットを978万キロワット下回った。FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)電源を加えた調達量は、1億7948万キロワットとなる。
全国の供給信頼度は基準値を上回ったが、エリア別にみると九州だけ下回った。九州では全ての応札電源が落札されているため、市場分断による追加の約定はなかった。
全国の電源区分ごとの応札容量は、火力などの安定電源が1億6311万キロワットで94.8%を占めた。太陽光、風力など非FITの変動電源が451万キロワット(2.6%)、単体容量千キロワット未満のアグリゲート電源が24万キロワット(0.1%)、デマンドレスポンスなどの発動指令電源が415万キロワット(2.4%)。全体の落札率は97%で、安定電源を除くと全ての応札電源が落札されている。
全国の応札価格の加重平均価格は、1キロワット当たり2182円。九州エリアの加重平均が同6694円と高く、九州を除いた加重平均価格は同1676円となっている。
全国の応札価格の分布をみると、0円入札が78.5%だった。それ以外で9425円の指標価格以下となる応札は9.8%、指標価格を超える応札は11.7%あった。
電気新聞2020年9月15日
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