風力発電機メーカー世界大手のシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジー(スペイン)は、英国で計画される合計出力140万キロワットのウインドファーム向けに、単機出力1万4千キロワットの洋上風力発電機100基を納入する。この発電機は5月に発売した新製品で、単機出力では世界最大規模となる。発注者はドイツ電力大手イノジーで、最終投資決定は2021年の予定。24年に着工する見通し。

 シーメンス・ガメサが22日に発表した。納入するのは、英国北東部の海岸から195キロメートル沖合で計画する、ソフィア・オフショア・ウインドファーム。合計出力はイノジーが保有する洋上風力発電所では最大規模になるという。シーメンス・ガメサは、洋上風力発電機の納入と併せて保守も請け負う。

 出力1万4千キロワットの洋上風力発電機は、ローター直径(風車の回転部)が222メートル。21年に試作機を開発し、24年までに市場投入する予定だ。耐用年数は25年を想定しており、1基の年間発電電力量で、約1万8千世帯の消費電力を賄えるとしている。

 シーメンス・ガメサは、欧州を中心にして風力発電機を販売してきたが、近年はアジアやアフリカ市場の開拓にも力を入れている。東アフリカのジブチでは、合計出力5万9千キロワット分の風車を納入。アフリカではほかにも複数の国に風車を導入しており、モロッコのブレード(羽根)工場を拠点に迅速に製品を供給している。

 日本でも風力発電所の新設が複数計画されていることから、営業活動を加速。単機出力1万4千キロワットの洋上風力発電機を含め、最新の製品を発電事業者に売り込んでいる。

電気新聞2020燃6月30日