経済産業省は、台風シーズンの到来を前に太陽光・風力発電事業者に対し、設備の保安確保に向けた注意喚起を行っている。昨年相次いだ台風・豪雨災害では、設備の損傷・浸水なども多く発生したことから、点検強化や感電事故などを防ぐ対策の徹底を求める。事業者や業界団体、施工業者などに幅広く呼び掛けていく方針だ。

 昨年の台風15、19号では、太陽光パネルなどが水没、飛散する事例が相次いで発生した。これを教訓に、台風シーズンを前に保安体制の再確認を促すのが狙いだ。

 事業用太陽光向けには、電気主任技術者の指導・監視を受けながら、点検時の安全を確保することを要請。架台・基礎部の強度、接合部のゆるみや錆、破損がないことを確認するとともに、パネルの飛散を防ぐ対策も促した。

 また、水上太陽光についても、アンカーとの係留部やフロート間の接合部に損傷がないかを確かめてもらう。

 一方、風力発電事業者に対しては、落雷による被害の防止に向けた対策に万全を期すよう、全ての設置者に依頼。レセプターなどの健全性を確認し、雷の衝撃から風車を守る措置を講じる一方、落雷を受けたかどうかは目視だけでなく、実際に点検してから判断するよう求めた。

電気新聞2020年6月4日