東京電力ホールディングス(HD)は18日、千葉県銚子沖の洋上風力発電プロジェクトを推進するため、デンマークのオーステッドと共同出資会社を設立したと発表した。両社は既に協働関係にあり、銚子沖洋上風力の共同開発の枠組みや体制を構築してきた。銚子沖は国が定める洋上風力の促進区域への指定が有望視されていることから、指定後の公募占用計画提出に向け、協力関係を深める。

 18日に設立したのは「銚子洋上ウインドファーム」(東京都千代田区)で、資本金は1千万円。東電HDが51%、オーステッドが49%を出資した。社長は未定だが、取締役として両社から1人ずつ出した。

 東電HDによる洋上風力の共同出資会社の設立、オーステッドによる日本での共同出資会社の設立はいずれも初めて。両社は2019年1月に、洋上風力分野で協働するための覚書を交わしていた。

 洋上風力を巡っては国が促進区域の選定を進めており、銚子沖はその前段となる有望区域に入っている。促進区域の指定後は占用公募指針の公表、公募、審査と進んでいく予定だ。

 公募では工期、発電設備の維持管理方法、関係行政機関との調整など、価格や事業の実現性が審査される。共同出資会社を通じて調査、設計、工事などに関する協議を深め、競争力の高い洋上風力開発につなげる。

 東電HDの小早川智明社長は「それぞれの強みや専門能力を効果的に組み合わせ活用する、他に類を見ない枠組みに合意した。これがプロジェクト実現の鍵となることを確信している」と強調。オーステッドのヘンリク・ポールセンCEO兼社長は「オーステッドの世界での豊富な経験と東電の地元に根ざしているという強みを生かし、応募に全力を尽くしていく」とコメントした。

電気新聞2020年3月19日