JERAは14日、洋上風力発電事業を手掛けるグローバル企業で構成された「海洋再生可能エネルギー連合」への参加を決めたと発表した。洋上風力発電大手のエルステッド、エクイノールを筆頭に、メーカーや送配電事業者などが参加し、洋上風力の事業環境整備などを目的としたビジョンを2020年6月までに策定する見通し。JERAは唯一の日本企業として枠組みに加わる。

 同連合は日本を含む14カ国首脳で構成される「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」が、19年9月に出した勧告を踏まえ結成された。温暖化対策で重要な役割を果たすとされる洋上風力を世界的に拡大するため、産業界や金融機関、政府が取り得る施策をまとめ、50年までのビジョンとして今年6月に公表する。

 議長はエルステッドとエクイノール、事務局は米シンクタンクの世界資源研究所が務める。JERAからは桑原淳・事業開発本部上席推進役が参加する。

 3社以外ではメーカーのMHIヴェスタス、シーメンス・ガメサ、オランダ送電大手のTennet、英再生可能エネルギーデベロッパーのメインストリーム・リニューアブル・パワーなどが参加する。洋上風力のバリューチェーンを網羅する形で、多様なプレーヤーが参加しているのが特徴だ。

 JERAは台湾、英国で洋上風力発電事業に出資参加した実績が評価され、連合入りを要請された。日本のエネルギー会社がグローバルに展開される「ロビー活動」に加わるのは異例だ。

 洋上風力は、これまで欧州を中心に導入が進んだ。今後は台湾をはじめとしてアジアでも拡大が見込まれる。連合が今後、ビジョンという形で政策提言を取りまとめる上で、アジアが焦点となるのは必至。今後、アジアで事業拡大を目指すJERAとして、主体的に議論に参加することで洋上風力の持続的な普及に貢献していく。

電気新聞2020年1月15日