石油資源開発(JAPEX)や北海道電力など5社の共同出資会社が福島県新地町で進めるLNG(液化天然ガス)火力発電所建設事業で、1号機(59万キロワット)が16日に試運転での発電を始めた。各機器の据え付け工事が完了した11月下旬に全体での試運転を開始し、同月末から燃焼試験などを実施していた。今後は稼働範囲や出力を拡大しながら、来年春の営業運転開始に向けて試験や検査を進める。

試運転による発電を開始した福島天然ガス発電所1号機
試運転による発電を開始した福島天然ガス発電所1号機

 
 5社が出資する福島ガス発電(東京都千代田区、石井美孝社長)が同日発表した。同社は2基計118万キロワットの福島天然ガス発電所を建設している。ガスタービン・コンバインドサイクル方式で、発電効率は約61%(低位発熱量基準)を見込む。2号機は来年春の試運転開始、来年夏頃の営業運転開始を目指す。

 福島ガス発電への出資比率は、JAPEX33%、三井物産29%、大阪ガス20%、三菱ガス化学と北海道電力が9%ずつ。各社が燃料を調達し、出資比率に応じて電気を引き取る「トーリング方式」を採用している。北海道電力も、注力する首都圏販売の拡大などに向け、引き取った電気を活用していく。

 燃料となるLNGの保管と気化、発電所への送出は、発電所に隣接するJAPEXの相馬LNG基地が受託。現在、23キロリットル級LNGタンクの建設と気化設備の増設工事を進めている。既に気化設備の一部が試運転に入り、11月末からは気化ガスの発電所への送出を開始した。気化設備の増設分は来年春の全面操業開始、LNGタンクは来年夏の操業開始を予定する。

電気新聞2019年12月17日