日立サイバーセキュリティセンターのトレーニングルーム
日立サイバーセキュリティセンターのトレーニングルーム

 日立製作所は5日、高度なセキュリティー人材の育成やサイバーセキュリティー研究を目的とした拠点を都内に開設すると発表した。日立グループの社員向けの施設で9日に開設。サイバー攻撃の脅威を学習させるほか、防御の実践演習も行う。日立はセキュリティー人材の確保に力を入れており、2022年3月までに1万人規模を育成する計画。新拠点で演習を重ね、近年増加するサイバー上の脅威に対抗する。

 拠点名は「日立サイバーセキュリティセンター」。開設に当たってはグループの日立ソリューションズ(東京都品川区、星野達朗社長)、日立ソリューションズ・クリエイト(東京都品川区、竹田広光社長)も参画。同センターは日立ソリューションズ・クリエイトの本社内に設ける。

 同センターにはサイバー攻撃の体験と実践演習を行うトレーニングルームを設置。日立グループが蓄積してきたノウハウを基に、最新のサイバー攻撃を社員に仕掛ける。社員は日立グループの社内制度「情報セキュリティスペシャリスト認定教育プログラム」の一環として実習に参加する。

 教育プログラムは入門者向けから、高度なセキュリティー人材向けの教育まで幅広く用意しているという。

 セキュリティーに関する調査・研究も同センターで行う。豊富な知見を持つ人材が常駐し、最新のサイバー攻撃事例や防御例を研究。新たなサイバー上の脅威情報は教育プログラムに反映する。

 日立は、新拠点を設立してセキュリティー人材の育成を加速。被害に遭った際の対応力を強化するとともに、蓄積したノウハウは、顧客向けの防護サービスの充実につなげる。

電気新聞2019年12月6日