見守りサービスに活用するロボット「LOVOT」(らぼっと)
見守りサービスに活用するロボット「LOVOT」(らぼっと)

 中部電力は12日、ロボットベンチャーの「GROOVE X」(グルーブ・エックス、東京都中央区、林要代表取締役)と資本業務提携に合意したと発表した。第三者割当増資の一部を中部電力が引き受け、グルーブ・エックスの株式を取得。グルーブ・エックスの製品やロボットに関する技術・知見を活用し、子どもや高齢者などの見守りサービスを新規開発する。中部電力が今年4月に設立した社内ファンドからの第1号案件となる。株式取得数や出資額は非公表。

 グルーブ・エックスは2015年11月に設立。昨年12月に、自社で開発した家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を公表した。

 らぼっとは本体に多数のセンサーやカメラ、自動運転機能を搭載しており、人とのスキンシップが可能。深層学習を用いており、個人の識別もできる。さらに、スマートフォンへの通知連絡や画像送信も可能なため、子どもや高齢者、ペットなど家庭内の見守りにも活用できる。

 らぼっとは、今年1月に米国ラスベガスで開催された世界最大級の展示会「CES2019」や、クールジャパン協議会主催の「クールジャパンアワード2019」などで受賞した。両社は今後、らぼっとを活用した見守りサービスの開発に向けて協議を進める。

 中部電力は4月1日付で、ベンチャー投資を加速させるための社内ファンド「中部電力コミュニティサポートファンド」を設立した。投資対象はコネクテッドホームやヘルスケア、モビリティー、エネルギーマネジメント、データ活用事業など。中部電力は同ファンドを通じて、24年4月までに計50億円規模の投資を予定している。

電気新聞2019年6月13日