北海道電力100%出資子会社のほくでんエコエナジー(札幌市、大井範明社長)は、同社が保有する水力発電所の写真や特徴を載せた「水力発電所カード」を作成した。6月から配布を始める。電力業界内ではダムカードの発行が広がっているが、水力発電所カードは珍しい。同社は「水力を身近に感じてほしい。発電所立地地域の活性化にもつなげたい」と発行の狙いを説明する。
第1弾として、道内にあるサンル発電所(下川町、貯水池式・ダム式水力、1100キロワット)と洞爺発電所(壮瞥町、流れ込み式・水路式水力、6400キロワット)のカードを作成した。道の駅など、休日も開いている発電所所在地の施設で配布する。「発電所を見学した」と申告すれば入手できる。
ここ数年、ダムカードが静かなブームを巻き起こしている。そうした中でほくでんエコエナジーは、九州電力大分支社が水力発電所カードを発行したことを知り、「良い取り組みだ」と考えて追随を決めた。水力発電所カードはこれまでに、山口県や秋田県も発行している。
今回作成した水力発電所カードは名刺サイズ。ダムや発電所建屋の写真を表面に、発電所の仕様や特徴、水車・発電機の写真、立地市町村の特徴を裏面に掲載している。
サンル発電所は4月に運開した。洞爺発電所は昨年、水車・発電機の更新工事を終えたばかり。今後もカードの評判を確認した上で、新設または水車・発電機を更新した発電所を対象にカードを発行していきたい考えだ。
ほくでんエコエナジーは北海道電力グループ内で再生可能エネルギーの中核会社と位置付けられている。基幹事業は水力で、全道各地で20カ所計約6万4千キロワットの中小水力を有している。
電気新聞2019年5月30日
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