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◆安定に向けた価格形成へ

 ◇小売電気事業者への影響/詳細な制度設計が重要に

 政府は改正電気事業法附則の検証規定に基づき、電力システム改革の検証を行い、3月末に取りまとめを行った。ここで整理された課題は「電力システム改革の検証を踏まえた制度設計WG」で詳細な検討が進められている。この中で「小売電気事業者の量的な供給力確保の在り方」については、小売電気事業者に対し、供給計画想定需要に対して原則として3年前に5割、1年前に7割の量的な供給力(kWh)の確保(以下、供給力確保)を求めている。これに合わせ小売電気事業者の調達環境を整備するため、中長期取引市場(以下、中長期市場)を創設することとなった。供給力確保の確認は2030年度供給計画策定時から、また中長期市場での取引は28年から開始されることとされている。

 これらの措置は容量市場と卸電力取引所のスポット市場(以下、スポット市場)を中心とする現在の卸電力取引の枠組みからの大きな転換であり、発電・小売電気事業者(以下、発販)双方の経営と将来の電気料金に深く関わるものとなる。今回は現在の卸電力市場の課題を振り返った上で、中長期市場の価格に関する見通しとその他の論点等について考察したい。