◆電圧調整能力の確保必須
◇安定維持「量」「規模」以外も/システム全体での検討を
電気事業の黎明期、「エジソンの直流」VS「テスラの交流」の電流戦争を経て、交流送電方式が世界に広まった。19世紀末、130年程前のことである。その後も電力需要の増加と関連技術の発展と共に電力システムは拡大・進化してきた。そして今日、自然変動の非同期電源(以下、インバータ型電源)が大量に下位系統に連系され、電力システムは安定運用面で質的変化が生じつつあり、技術的対策等の検討が必要である。
大型の同期発電機は、慣性力・同期化力や、周波数安定化のガバナーフリーや電圧調整の自端制御機能を有し、通常、系統運用者の指令に基づく出力調整が可能である。一方、太陽光発電等パワーコンディショナー(PCS)によって系統連系されるインバータ型電源は、分散型で大量に普及する一方、余剰電力対策の出力制御を除けば系統運用者の制御対象外である。我が国では地域により軽負荷期の晴天日昼間は系統に連系する発電機に占めるインバータ型電源の比率が8割以上となる状況が増えている。また、太陽光発電のうち配電系統に連系されるものは7~8割にのぼる。
供給力と調整力の確保による需給バランス維持のみならず、ITやデータセンター等の需要が拡大する中、電力品質の確保も重要である。電力システムの運用上生じる様々な不確実性と、リソースの調整能力等の変化を踏まえた対策を、遅滞なく検討しておく必要がある。





