表面には鉄塔写真、裏面には詳細な鉄塔データを記載。特にUHV鉄塔はプレミアムカードとして金色に縁取られている
表面には鉄塔写真、裏面には詳細な鉄塔データを記載。特にUHV鉄塔はプレミアムカードとして金色に縁取られている

 
 送電鉄塔のこと、もっと知ってほしい--。

 東京電力パワーグリッド(PG)は3月25日、同社エリア内に建設された様々な種類の鉄塔を紹介する「鉄塔カード」の販売を今月下旬から開始すると発表した。鉄塔をテーマにしたインフラ系カードの販売は初めて。基礎工や架線電工、組み立て工など、将来の担い手不足が懸念される架空送電部門のリクルート支援に活用し、認知度向上を図るのが狙いだ。

 第1弾として、栃木県内の送電線を対象に4種類の鉄塔をセット販売する。カードは、UHV(超高圧)送電線の一つである南いわき幹線の大型鉄塔、50万V塩原線の烏帽子(えぼし)鉄塔、大正期から100年を超えて現役で運用されている猪苗代旧幹線の鉄塔、一部水平配列を適用した栃山線のドナウ型鉄塔。表面には鉄塔写真、裏面には詳細な鉄塔データを記載している=写真。特に、UHV鉄塔はプレミアムカードとして金色に縁取られている。

 4種類のカードは、鉄塔が並ぶ栃木県内の風景写真を掲載した専用ケースに収めた。まずはリクルート活動のツールとして工事会社に配布し、それ以上の希望があった場合は販売する予定。一般からの要望に応えるため200セットを1セット500円で販売する。各セットにはシリアルナンバーが刻印される。

 カード制作には送電線建設技術研究会関東支部(後藤清支部長)が協賛。写真は栃木県内に勤務する東電PG送電部門社員が撮影。編集は東京電設サービスソリューション事業部が担当した。

 一般にも送電線をたどる旅や鉄塔と風景を撮影して楽しむ“鉄塔マニア”が存在する。東電PGはSNS(会員制交流サイト)などを通じ、さらなる認知度向上につなげたい考え。各都県版のセットも検討する。

電気新聞2019年3月26日