新会社のロゴを掲げる京セラの谷本社長(左)と関西電力の岩根社長(右)
新会社のロゴを掲げる京セラの谷本社長(左)と関西電力の岩根社長(右)

 京セラと関西電力は27日、太陽光発電の屋根貸しサービスなどを行う「京セラ関電エナジー合同会社」を4月1日に設立すると発表した。2019年秋頃のサービス開始を予定し、24年度には累計4万戸への提供を目指す。新会社は小売電気事業者としての登録を完了後、今夏にもサービス料金を公表し、受け付けを開始する。顧客は初期費用が不要で、京セラ製の太陽光発電設備を自宅の屋根に設置することができ、停電時には自立運転で太陽光の電気を使用できる。

 関東と中部地方で、10キロワット未満の太陽光発電設備を設置できる新築戸建て住宅が主な対象。新会社は太陽光で発電した電力と、不足分を補う系統電力を顧客へ売電する。契約期間は原則10年間で、契約満了後は顧客へ同システムを無償で譲渡する。系統電力は、関電グループが新会社へ供給する。

 新会社は京都市の京セラ本社内に設置し、出資金は1千万円。出資比率は京セラが51%、関電が49%。京セラの小谷野俊秀・ソーラーエネルギー事業本部副本部長と、関電の大川博巳執行役員・営業本部副本部長が職務執行者に就く。新会社での両社の役割分担は、京セラグループが機器販売や設置工事、メンテナンスを行う。関電グループは、電力を安定して供給する。

 新会社の設立について、京セラの谷本秀夫社長と関電の岩根茂樹社長は27日、大阪市内で共同会見を開催。谷本社長は「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)のような環境配慮型住宅の購入を促進し、再生可能エネルギーの一層の普及に貢献していきたい」と強調した。

 続いて岩根社長が「太陽光を活用した新たなエネルギーサービスを提供することで、再生可能エネルギーの普及を一層進め、低炭素社会の実現に貢献する」と説明。その上で、「両社の持つリソースを最大限に活用し、多くのお客さまに選んで頂けるように全力で取り組んでいきたい」と意欲をみせた。

電気新聞2019年3月28日