◇27ヵ国から約3千人が参加/AI、人材育成 活発に議論

 放射性廃棄物に関する国際会議であるWM(Waste Management)2025は、27カ国から約3000人が集まり、3月9~13日に米アリゾナ州フェニックス市で開催された。今回は「持続可能な未来の実現―原子力分野における先進技術、AI、人材育成」をテーマとして実施され、日本からは、2つの福島第一原子力発電所廃炉パネルセッションに加え、AI(人工知能)関連、放射性廃棄物処理・処分、人材確保・育成、地域との関係などの発表が行われた。奨学金は、日本を含む5カ国の56人に授与された。次回のWM2026は、2026年3月8~12日に開催される。

 

 <WM2025の実施結果>

 米国では新大統領就任により、連邦職員やカナダからの参加に影響が出ることが懸念されたが、その影響は限定的で、ほぼ例年通りの参加者を得て開催された。

 ◆技術セッション

 11分野の240セッションが、19会場で並行して実施された。

 福島第一廃炉に関しては、主催者指定の注目セッションとして、会議2日目に2つのセッションを表1に示す通り3時間半かけて実施した。100人近い聴衆が集まり、活発な質疑応答がなされた。

 ◆展示会場

 世界中の国際機関、産業界、施設設置者、研究機関、学界、ベンチャー、そして注目国カナダのパビリオンなど189の展示ブースが設置され、最新の技術、適用実績や計画の共有、サプライチェーン構築、人的ネットワーク構築などに活用された。人材確保・育成にも重要な役割を果たし、学生ポスターセッション、ジョブフェア、STEMゾーン、若手専門家ネットワーキングイベントなどが併設された。

 ◆学生プログラム

 多くの学生向けプログラムが用意され、世界中の学生とネットワークを築く機会として活用された。その中核の「ロイ G. ポスト財団 学生奨学金プログラム」では、世界中の学部生と大学院生の応募者の中から選抜された日本の筑波大学大学院生1人を含む56人に、奨学金とWM国際会議参加費用を提供した。

 ◆サイトツアー

 初めての試みとして、パロベルデ原子力発電所とNational SAFER Response Center(SAFER施設)へのサイトツアーが実施され、日本からの3人を含む40人が参加した。

 <WM2026に向けて>

 「効率的で革新的な核物質と技術的な解決策」をテーマに、急速に進化するデジタル世界がもたらす世界中の放射性廃棄物管理、原子力産業、および除染・廃止措置への変革に焦点を当て、効率的な運用、人間と機械のインターフェースの改善、安全性の向上、およびデータ管理と分析の強化への貢献を取り上げる計画。

 注目国は高レベル処分場オンカロが進むフィンランド、注目米国DOEサイトはハンフォード。

 技術セッションへの発表は、8月22日締め切りで募集が行われた。9月からは、展示会場への展示ブース新規出展の申し込みも始まる。

 「ロイ G. ポスト財団奨学金」の申請も開始しており、申請書と添付文書の提出の締め切りは11月1日となる。

 WM2026では、会議最終日翌日の3月13日に、パロベルデ発電所とSAFER施設、3月16日に、ニューメキシコ州にある廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)へのサイトツアーを計画している。

 <2027年以降の計画>

 27年以降は以下の日程を予定している。場所は、フェニックス会議場となる。

 WM2027=27年3月7日~11日
 WM2028=28年3月26日~30日
 WM2029=29年3月4日~8日


 本連載は今回をもって終了します。長年のご愛読ありがとうございました。9月からは幅広い分野の技術を各界の専門家らが掘り下げる新連載「テクノ ウオッチ」の掲載を開始します。

電気新聞2025年8月25日