電気加熱によって食品の「熟成」を促進する装置が開発された。牛肉の熟成肉の場合、2週間から数カ月かけるのが一般的だが、これを数日から1週間程度に短縮できる。四国電力グループの四国計測工業(香川県多度津町、川原昭人社長)が8日発表した。現在は東京・日本橋と高松市の飲食店2店に試験導入している。今秋に販売を開始する予定。
熟成肉ブームを受け、同社が持つマイクロ波加熱技術と計測制御技術を生かして開発した。製品名は「Aging Booster」。食材をなるべく腐敗させず熟成させるため、表面は低温を保ちながら、内部温度を上げられる。酵素を活性化することで、熟成を促進させる。
装置は高さ約1.3メートル、重量70キログラム。試験導入店では、肉の種類・部位に応じた熟成条件を確認している。その結果を基に、調理レシピの充実など販売開始に向けた準備を進める。専門家の指導の下、魚介類やソーセージ、チーズなどについても効果を検証中だ。
今後は東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる展示会「HCJ2019」(2月19~22日)、「2019食肉産業展」(4月17~19日)に出展する予定。また、試験導入店を10店程度まで拡大する方針だ。同社は「前例のない製品なので、まずは使って頂く方を増やしたい」としている。3年後には売り上げ1億円を目指す。
電気新聞2019年2月12日
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