ソフトウエア開発を手掛けるフォルテ(青森市、葛西純代表取締役)など3社は12日、積雪を使った「積雪発電」による融雪システムの実証実験を青森市内で行うと発表した。生活空間での実装は世界初とみられる。温度差に伴う空気の膨張・収縮で運動エネルギーを得るスターリングエンジンを活用。冷媒の冷却に雪を用い、雪を溶かしながら発電する。豪雪地帯の悩みである融雪の手間やコストを減らし、発電時の環境負荷も抑える一石二鳥を狙う。

 実証実験はJR東日本スタートアップのスタートアップ支援事業「JR東日本スタートアッププログラム2024春」の一環。JR青森駅(青森市)近くの商業施設A―FACTORYで、来年2月まで行う。

 積雪発電で使用するスターリングエンジンは、シリンダー内のガスや空気を外部から加熱・冷却し、体積変化を生かしてピストンを動かす。出力は最大約1キロワット。メンテナンスフリーで約5万時間の稼働が見込まれる。エンジンの熱源となるペレットは、A―FACTORYのダンボールや、リンゴの搾りかすなど廃棄物から生成する地域資源循環モデルを描く。

 発電した電力は、来年2月2日までA―FACTORYなどで開かれるイルミネーションイベント「あおもり灯(あか)りと紙のページェント」の灯籠にも活用する。

電気新聞2024年12月16日