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 【論点3】エネルギーの安定供給とGXの実現を両立するための「人」への投資

 エネルギーの安定供給とGXの実現の両立に向けては、増大する電力需要や再エネ拡大などを踏まえた送電線等の系統整備が欠かせない。また次世代革新炉をはじめ新たな技術の研究開発、社会実装も不可欠であることから、それらの担い手であり、基盤となる人材の確保が必要である。さらには、その前提となる足元の災害対応や、電気設備の保守・保安をはじめとする安定供給を支える人材の確保・定着、技術の維持・継承も極めて重要である。

 それらを電力自由化の下で実現するためには、「人」への投資の予見性を確保できるよう、各種市場の安定運用はもちろん、抜本的見直し等を実施しなければならない。加えて、エネルギー業界を希望する学生を増やすなど人材確保の基盤整備に向けて、国はエネルギー政策の方向性を示すとともに、その重要性・魅力の発信を事業者と連携して行うことも検討すべきだ。

 【論点4】エネルギーの安定供給とGXの実現の両立に向けた供給力の確保 

 (1)再生可能エネルギーの主力電源化

 再エネ拡大に向けては、現行の火力を活用しつつ脱炭素化された火力や蓄電池などの調整力を確実に確保しなければならない。同時に電力系統の安定性維持に資する系統整備が必要になるが、国は事業者がこうした投資を行うための予見性を確保できるよう制度的措置を講じるべき。また系統整備費用の負担がGX実現のために不可欠なことについて、国民理解の醸成に取り組まなければならない。

 地理的・社会的制約を踏まえ、規律強化の状況を把握するとともに、地域社会との調和の中で再エネの拡大が図られるよう努める。

 (2)持続的な原子力の活用

 GX脱炭素電源法の趣旨を踏まえ、安全確保を大前提とした原子力の持続的な活用を明記すべきだ。

 具体的には日本固有の実情や海外の動向を踏まえ、「可能な限り原発依存度を低減する」ということではなく、新増設を明記し、将来にわたって持続的に原子力を活用する方針を明確にする。加えて、リプレースに関して廃炉を決定した敷地内に限定することなく、地元理解を前提に柔軟に対応する。(第6次エネ基の「可能な限り原発依存度を低減する」を削除する)

 原子力事業者を取り巻く経営環境に関わらず、施設の安全性の向上、バックエンド事業の着実な推進等に事業者が取り組めるよう、必要な人材の確保および技術の維持・強化等に向けた事業環境の整備を進める。

 (3)火力発電の低・脱炭素化の推進

 化石燃料、特に石炭からの脱却という国際的な潮流は強まってはいるものの、「安定供給最優先」「エネルギー安全保障の確保」の観点から、実情に応じて火力発電の低・脱炭素への移行を進めていく必要がある。

 具体的には、火力発電の高効率化(IGCC、IGFC)、水素・アンモニア混焼・専焼の推進、CCS技術の実装が欠かせない。水素やアンモニア、CCSの活用にあたっては、サプライチェーンの構築などにおいて、電気事業者などが拠出する排出量取引制度(有償オークション)や炭素賦課金が原資となる「GX経済移行債」による支援を受けるが、国民負担の過度な増大とならないよう留意する。また、支援に対する評価やその対象の拡大・縮小を柔軟に行う必要がある。

 (4)電化の推進

 非電力部門の省エネと併せて、化石燃料の直接燃焼を電化を通じて減らしていくことが重要。また再エネ普及拡大・DR推進に資する需要側手段として、ヒートポンプおよび蓄熱システム等の導入拡大・利活用を推進する。(大気熱を再生可能エネルギーとして明確に位置づける)

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