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 現在進められている「第7次エネルギー基本計画」策定に向けて、電力関連産業で働く者の立場から以下の提言を行う。

◆第7次エネ基検討にあたっての論点

 【論点1】安定供給・エネルギー安全保障の重要性の明確化と将来の不確実性を見据えたシナリオの検討

 安定供給・エネルギー安全保障が脅かされている状況を踏まえ、安定供給・エネルギー安全保障を大前提とし「S+3E」の原則に基づく検討を行うべき。安定供給に資する供給力確保の観点から、電力需要の増大や自然災害など不確実性への対応を念頭に置いた柔軟さが求められる。

 資源の大部分を海外に依存する日本の実情を踏まえれば、安定供給・エネルギー安全保障の維持へ、国が前面に立って資源外交を行わなければならない。とりわけロシアによるウクライナ侵略以降、LNG市場の不確実性が高まっていることを踏まえ、戦略的余剰LNGの構築など、政策を総動員する必要がある。

 【論点2】国民生活とGXの両立に向けた環境整備

 電源を維持・新設するための適切なコスト回収と資金調達手段の確保が欠かせない。電力自由化の下では、容量市場や予備電源制度の着実な運用、また長期脱炭素電源オークションの抜本的な改善などが求められる。また資金調達手段として、一般担保付社債に代わる政策的手当てを検討することも重要になる。

 排出量取引(有償オークション)や炭素賦課金など、カーボンプライシング(CP)が本格的に導入されるにあたり、それらを含む「温暖化対策コスト」は特定の事業者への負担に偏重せず、広く社会全体で公平・公正に負担すべき。人材・技術への投資や国民の行動変容を促す観点から、国や事業者、国民の適切な役割分担の下、円滑かつ適切な形で価格転嫁を行う。

 その際には既存制度(エネルギー関係諸税、通商ルール等)との関係整理が必要。具体的には、可能な限りの国民負担の抑制やCN実現に必要な電化推進と整合性が取れるよう現行のエネ関連税制や諸制度全体を俯瞰(ふかん)した整理を行うべきだ。

 また国は国民や事業者に対し「GX実現の意義」や「負担に対する理解の醸成」に積極的に取り組む必要がある。特に火力の脱炭素化・GXに向けては、相応の電気料金上昇の可能性があることについて、適切に周知しなければ誤解を招きかねない。