◆「人」への投資 成長に不可欠
◇デジタル社会支える安定供給/人的基盤強化に予見性必須
安定的なエネルギー供給は国民生活や雇用、経済活動の礎であり、今後の電化社会を見据えれば電力の安定供給はまさに国家の生命線だ。GX推進にあたっては「安定供給最優先」「エネルギー安全保障の確保」への軌道修正、さらには「S(安全性)+3E(安定供給、経済効率性、環境適合)」の原則に基づく国民生活の向上とGXが両立するエネルギー需給構造への転換を図らなければならない。
「GX推進戦略」ではGX加速により、エネルギー安定供給と脱炭素分野で新たな需要・市場を創出し、日本経済の産業競争力強化・経済成長につなげていくとしている。産業競争力・経済成長の源泉は、産業・企業等で働く「人」であることは疑いない。そのことを踏まえ、人材・技術基盤の維持・強化や「公正な移行」に向けて「人」への投資を行う必要がある。
しかし足元では、原子力発電所の再稼働が遅れ、FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の下で進められた再エネ大量導入のあおりを受けて発電事業の収益性が低下、火力電源の退出が進展している。一方で投資回収の予見性が低下しているため新規電源建設も停滞。需給逼迫や料金の高騰などの課題が顕在化し、国民生活に多大な影響を与えている。

こうした中、労働力人口の減少や技術・技能を有する者の流出に伴い、電力産業においても例外ではなく人材の確保・定着が困難な状況を迎えている。具体的には、次代を担う若年層の採用難や早期退職、豊富な知識・経験を持つ高年齢層の退職など、構造的な課題に直面している。(図)





