リサイクル燃料貯蔵(RFS、青森県むつ市、高橋泰成社長)は6日、使用済み燃料の中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」の事業を同日開始したと発表した。原子力規制委員会が同日開いた定例会合で、原子力規制庁が実施した使用前確認で原子炉等規制法の基準に適合していることを確認し、使用前確認証の交付を決定。規制庁が同日、RFSに確認証を手渡した。同センターで同日から使用済み燃料の50年間の中間貯蔵が始まった。
RFSが22年2月に使用前確認の申請を行ったのを受け、規制庁は金属キャスクをはじめとした貯蔵設備本体や受け入れ施設、計装制御、放射線管理など合計70件の設備に関する使用前事業者検査を監督した。設備の構造や強度、漏えい、機能などを確認する同検査が適切に行われていることや、設工認に基づき工事したこと、技術上の基準に適合していることを確認した。
併せて、金属キャスクに使用済み燃料が収納された状態でセンター内に据え付けられ、試験使用と使用前事業者検査も行われた。
規制委は報告を受け、検査の具体的内容などについて質問した上で確認証の交付を決めた。
RFSは9月26日に東京電力柏崎刈羽原子力発電所からキャスク1基分の使用済み燃料を受け入れた。今月6日の使用前確認証受領をもって中間貯蔵施設の事業開始に至った。
高橋社長は確認証の受領を受け「引き続き安全最優先で事業に取り組むとともに、事業の透明性を高め、地域に根差した事業運営に努める」と表明。「原子燃料サイクルの一翼を担う企業として、リサイクル燃料である使用済み燃料を安全に貯蔵することを通じて、輝く未来の豊かな暮らしに貢献したい」との考えを示した。
[メモ]
◆RFS中間貯蔵施設
原子力発電所で発生した使用済み燃料を再処理するまでの間、一時的に貯蔵・管理しておくのが中間貯蔵施設だ。2000年の原子炉等規制法改正で発電所敷地外での貯蔵が認められ、青森県むつ市が東京電力へ中間貯蔵施設の立地に向け調査を要請。03年に同市が施設誘致を表明した。
東電と日本原子力発電は05年11月にリサイクル燃料貯蔵(RFS)をむつ市に設立。13年8月にはリサイクル燃料備蓄センターの貯蔵建屋1棟目(3000トン)が完成した。建屋の使用期間は50年間で、操業開始から40年目までに搬出の協議を行う。
RFSが新規制基準の適合性審査を申請したのは14年1月。事業変更許可は20年11月に、2回に分けて申請した設計・工事計画認可(設工認)は21年8月と22年8月に、保安規定変更認可は23年8月にそれぞれ取得した。
今年9月26日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所からの使用済み燃料69体(キャスク1基)を同センターとして初めて受け入れた。
電気新聞2024年11月7日