小早川 智明氏

 東京電力ホールディングス(HD)は1日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開かれた世界原子力発電事業者協会(WANO)の隔年総会で、小早川智明社長が名誉職の新総裁に選ばれたと発表した。任期は2年。東電からWANO総裁に就くのは、那須翔元会長以来2人目となる。小早川社長はWANO総裁として原子力発電所の安全性、信頼性の向上を支援するほか、次回2026年に東京で開かれる隔年総会に向けて幹部、会員を迎える準備を進める。

 隔年総会は9月29、30日に開かれていた。WANOはCEOと総裁、チェアマンの三役の体制で運営しており、小早川社長はその一角を担う。那須氏は、1991年から93年まで総裁を務めていた。

 30日付で就任した小早川社長は現地でスピーチし、「福島第一原子力発電所の事故から13年が経過する。得られた教訓を共有し、世界中のプラントの安全性向上に寄与することを強く望んでいる」と説明。

 また26年の隔年総会では福島第一の視察ツアーを企画するとも紹介し、総会参加者に福島の復興や廃止措置の状況の確認を要望した。

電気新聞2024年10月2日